ユーザーリポートUser's Report
8おきだい薬局様
散薬調剤ロボット DimeRo(ディメロ)
- 応対者
- 有限会社ヤギ調剤薬局 取締役 八木 智 先生
おきだい薬局 管理薬剤師 鈴木 美智子 先生 - 取材者
- 株式会社ユヤマ 営業企画部 主任 松尾 笑加
調剤室内
(松尾)おきだい薬局様で受けている処方の内容についてお聞かせください。
(八木先生)主に耳鼻科の処方箋を受けていますが、総合病院などで出された処方箋を受けることもあります。
処方箋枚数は、平均すると1日150~160枚ですが、ピーク時は200枚くらいになることもあります。
患者様の半分はお子様で、それ以外は幅広い年齢の方がいらっしゃいます。
受付している処方箋の4割が粉薬の処方になります。1~2歳までのお子様はシロップが多いですが、それ以上になると粉薬がほとんどですね。
人員構成は、薬剤師2~3名、事務員2~4名です。
(松尾)ディメロの導入のきっかけとなった出来事はございますでしょうか?
(八木先生)「薬剤師の確保」が一番大きな要素です。
ディメロを導入することによって、薬剤師1人分にはならなくても、3人の薬剤師とあわせて3.5人分になります。
姫路は地域的にも中々人材確保が難しいところなんですが、ディメロのおかげで効率よく仕事ができるようになりました。
元々は社長がユヤマさんの本社見学に行ったときに、ディメロを見て、「これいいね!」となり、ヤギ調剤薬局グループ内のどこかの店舗に入れることを検討したんです。候補に挙がった場所が2軒あったんですが、ディメロのサイズを考慮しておきだい薬局への導入が決まりました。
(松尾)サイズがネックとなり薬局様に入れられないという話は、他の薬局様でもお聞きすることがございます。
待合室からディメロが見えるようになっているんですね。この配置は狙ってされたのでしょうか?
(八木先生)サイズの関係であそこにしか置けなかったんです。本当はディメロをもっと手前に持ってこれたらよかったんですが…ロボットが近くに見えていたら子どもたちはとても興味をもって見てくれるんじゃないかと思うんです。
(松尾)そうですよね。お子様たちがこういうロボットを近くで見れたらわくわくしますし、きっと楽しんで見てくれるんじゃないかと思います。
設置作業についてはスムーズに行われたのでしょうか?
(八木先生)ディメロの設置には時間がかかると既に導入されていた薬局の方から聞いていたので、朝一から設置作業を行ってもらいました。入口のドアは外しましたが、設置場所まではサイズの問題なく持っていくことができましたので、想定よりも早く丸1日で設置作業が完了しました。
壁をぶち抜くなどの作業が発生するとさすがに1日では無理だと思いますが、物理的な障害がなければ他の薬局様でも1日あれば導入可能なんじゃないでしょうか。
(松尾)ディメロの導入にあたっては、不安などはございませんでしたでしょうか?
(八木先生)ディメロは他の調剤機器とは違って、「ハイテク」ですよね。だから、故障が多いんじゃないかという不安はありました。実際、不具合で修理に入ってもらうことはありますが、不具合の頻度はだいたい想定くらいに収まっているかと思います。問題があった時には、わりと早い対応をしてもらっているので特に不満はありません。
(松尾)不具合の際も早くアフターフォローできているということで少し安心いたしました。
現在、散薬調剤の中でディメロはどのくらい活用されていますでしょうか?
(八木先生)9割くらいはディメロで調製しています。処方される頻度の少ないものは、Vマス分包機で手撒きをしています。
搭載薬品は6薬品、計6カセットです。
(松尾)ディメロをお使いになっている中で、どのようなところにメリットを感じておられますか?
(八木先生)投薬している最中に、散薬調剤のために薬剤師を配置しなくてもよくなったところです。
元々できる限りの効率化を行っていた薬局ではありますが、ディメロの導入によって患者さんの待ち時間が短くなりました。処方箋の受付をしてから薬をお渡しするまでの時間は、平常時でおよそ5分くらいになります。混み合うときでも20分程度でお渡しをしています。
今までは散薬の調製+鑑査というプロセスだったのが、調製をディメロに任せてジャーナルが出るので、薬剤師は鑑査をするだけでよくなりました。その点では仕事のプロセスが1つ減ったとも捉えられます。
効率化以外のメリットとしては、薬剤師の退勤までの時間が短くなったことがあります。
繁忙期になると、電子薬歴に入力する時間がその場で取れず、営業時間後にまとめて薬歴を書くことで退勤時間が遅くなっていたこともありました。ディメロを導入したことによって、散薬調製のために調剤室内へ入る必要がなく、受付側で薬歴を書く時間を確保できるようになりました。患者様をお待たせしないだけでなく、薬剤師にとっても働きやすい環境をつくれるようになったと感じています。
(鈴木先生)秤量と服薬指導で何度も行ったり来たりしなくてよくなったので、受付から投薬までの流れがとてもスムーズになりましたね。
(八木先生)薬剤師を3名から4名に増やしたら作業的には早くなりますが、3名とディメロ1台で仕事をまわせるのであればそちらの方が経済的ですよね。事務員が薬剤師の代わりに粉薬を量って分包することはできないので、ディメロはとてもありがたい存在です。
(鈴木先生)ディメロは操作方法が簡単なので研修生や新人薬剤師でもすぐに使うことができます。
また、調剤の中でも一番時間がかかるのが粉薬なので、それを自動化してくれるとなるととても助かります。こちらの店舗では粉薬が圧倒的に多く分量が多岐にわたるので、それを1つ1つ量らなければならないとなるととても負担が大きくなります。
ディメロはそれに比べてボタンを数回押すだけでいいのですごく楽ですね。調剤システムにはつないでおらず、Doで呼び出しをする形で使用しています。
(松尾)薬剤師の先生方が働きやすくなったということですね。
(鈴木先生)そうですね。
分包機だと1回1回粉薬を量らないといけないですが、ディメロはボタン操作で混合も自動で行えます。こちらの薬局では粉の混合は2種類までしかありませんが、3種や4種の混合を行っている薬局だと秤量だけでも結構時間を取られるはずなので、ディメロがあるととても助かるんじゃないかと思います。
(松尾)メンテナンスのしやすさについてはいかがでしょうか?
(鈴木先生)ディメロは初めて見る機械なので最初はとても慎重に扱っていました。「精密機械」という感覚ですね。でもユヤマさんに来ていただいたときに、ここは触っても大丈夫ですよという話をお聞きして、意外とそこまで慎重にならなくても大丈夫なんだということが分かってきました。
分包機はだいたいどのメーカーでも同じような構造になっているのでこれまでの経験で何となく扱い方もわかるんですが、ディメロは今までに全く見たことのない形なので最初は不具合の時の対処方法が全くわかりませんでした。
(松尾)分包機と比べると、手間のかかり具合はどうでしょうか?
(鈴木先生)手間が特別かかっているということではないですが、他の分包機より丁寧に扱うようにしています。
ディメロもそうですが、ユヤマさんはいつも夢のような機械を出されていますよね。展示会のブースには他のメーカーさんの1歩先を行く画期的な商品がある印象です。
(松尾)ありがとうございます。常によりよいものを求めて最先端の技術をもって開発をし続ける会社であると自負しております。
(鈴木先生)本当にそうだと思います。初めてディメロを見た時は、携帯電話がいきなりスマホになったような衝撃を受けました。
現在、薬剤師は3名体制ですがもしディメロがなければ、もう1人薬剤師が必要になる場面があると思います。
おきだい薬局様はこんなところ
業務効率化の徹底とロボット導入で人材不足をカバー。
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たけきだ耳鼻咽喉科クリニック様のすぐ隣に位置する薬局様。
車での来院も多いため、クリニック様では駐車場スペースを広く確保されています。最寄りのJR網干駅からは徒歩15分ほどの距離。
おきだい薬局様では、ロボットの導入に限らず、錠剤においては薬品を日数別にあらかじめ分けて束ねておくなど、極力調剤室での作業に時間がかからないようにと、効率化への徹底ぶりが伺えました。
限られた人員の中でも努力を惜しまず、しっかりと対応されていることが患者様からの薬局様の評価にもつながっているんじゃないかと想像されます。